こんにちは。みころるの二橋です。
今回は、保護者の方からの相談が多い「作文の書き方」についてです。
文字を書くことだけでなく、「文を書くことが苦手」「文章にまとめることが苦手」など色々な苦手が重なり、「作文を書くことが苦手」という子どもは多いです。
教室でも国語や自己理解の一環として「出来事をまとめる」という課題に取り組みます。これが「作文」ということになるのですが、みころるでは一般的な「作文」の考えとちょっと違う捉え方をしています。
1.子どもの伝えたい気持ちを引き出す
「作文」の本来の目的は、ただ「きれいに文章にまとめること」ではなく、「自分の感じたことを相手に伝えて、想いを共有することや相手に何かを感じてもらうこと」だと思います。
ですので、最初に「子どもの伝えたい」という気持ちを引き出すことを一番に考えます。
「作文を書く」と思うと、書くことや自分の言葉で伝えることが苦手な子は、苦手意識が先立ち構えてしまいます。
そこで何気ない会話で、まるでおしゃべりをしているような感じから課題に入っていきます。一週間の出来事を聞くところからスタートしたりすることもあります。
2.質問を重ねて出来事を思い出す/共感してもらえる満足感を感じる
「○○についてどう思った?」と漠然と質問しても何を答えたらいいか分からない子が多いので、「いつ」「どこ」「だれと」「どうした」などの基本の質問から、少しずつ広げていきます。
子どもが自分の言葉で感想を言ったら、「それは面白いよね!」「それは悔しいねぇ!」などと共感して、「わかってもらえる」という満足感、充実感を感じてもらいます。
また、記憶があいまいな時は、旅行についてだったらipadで訪れた先について検索し、それを見ながら話しを進めるのも楽しいです。話が進んで子どもの心がほぐれてきたら、紙にまとめていきます。
3.「マインドマップ」にまとめる
この段階ではまだ文にはせず、いわゆる「マインドマップ」の形にします。
書くことに抵抗がない子は、自分で作成してもらいますが、書くことが苦手な子は、講師が話を聞きながら作成し、子どもには「伝える」ことに専念してもらいます。
また、絵が好きな子は、絵を描いてもらうこともあります。
みころるでは、「マインドマップ」も色々な書き方をしています。
「出来事だけ」を広げていく「出来事マップ」。「その時感じた気持ちだけ」をまとめていく「気持ちのマップ」など。子どもの特性や、その時大切だと思われる課題によって変えていきます。
この時に、より子どもの伝えたいことが伝わるよう、新しい語彙や表現を伝えていきます。
出来事の流れや感じたことが整理されるようサポートしながらも、「マインドマップはこうすべき」という視点からは離れ、自由に、子どもが楽しみながら出来事を振り返れることに専念します。
4.出来事の整理と文章構成を考える
マインドマップができたら、伝えたい順番を考えて番号を振っていきます。
この作業は大事です。
特性のある子の中には、物事を整理して思い出すことが苦手な子もいるので、いったん出来事の全体を視覚化し把握してから、伝える順番を考えていくことで思考の整理をしていきます。
そのうえで、出来事の順を追って伝えたい子もいれば、一番印象に残ったことから伝えたい子もいるので、それも子どもと一緒に考えていきます。
出来事と気持ちが整理され、ある程度まとまったところで、作文課題を終わりにする子もいます。「作文」という形にはなっていませんが、出来事をまとめる道筋を一緒にたどることができているので「それでよし!」とする場合もあります。
5.文章にまとめる
文・文章にまとめるのが苦手な子の場合、このマインドマップを全てまとめて「作文」という形にするのは、負担が大きいため、一部の出来事についてのみ文章にまとめています。
これも自分が伝えたいことを選んでもらうとよいですね。
また、文を作るには、主語・述語・修飾語の並び、適切な語彙選びなど色々な要素が含まれるため、教室では、「作文」とは別の時間に、それぞれの苦手さに合わせて、一文をわかりやすく作るための課題に取り組んでいます。
ですので「作文」の時は、ある程度一文の作り方をサポートして、文章にまとめていく方が負担も少なく意欲も保てます。
文章にまとめていくとき、教室でやっているのは、「物語の主人公になったつもりでまとめてみよう。」というものです。その出来事を物語風にして、「自分」を主人公にして体験した出来事を語ってもらうのです。
ゲームやアニメ、本が好きな子は楽しく取り組めることが多いです。作家になった気分で語ってくれる子もいます。
この流れは、作文を書くのには一般的な方法だと思いますが、大切なのは「子どもの伝えたい気持ち」と「伝わった満足感」。
みころるでは「作文の時間」は、出来事を振り返ることで、楽しかったことをもう一度一緒に味わったり、悔しかった気持ちに共感してもらうことで、子どもが次へのエネルギーを蓄えたりしていく、そういう時間になることを目指しています。
出来事について、伝えたいことを思い切り伝え、ひとしきり話し終え、「あれ?先生、今日勉強しないの?」と聞く子もいます。いえいえ、これがみころるの学習時間なんですよ~。
こんな風に楽しみながら、「伝える力」をつけていけることを目指していきたいですね。

