ADHD・多動傾向~動いちゃうにどう応える?~

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こんにちは。みころるのにはしです。

今回は、ADHD・多動の特性や傾向のある子どもの「動きたい」「動いてしまう」への対応についてお話します。
今まで、その特性や傾向のある数多くの子と接してきて、その経験から感じていることをお伝えします。

ADHD・多動傾向のある人について、「じっとしていられる人」の視点からすると、「なんでじっとしていられないの?」と感じる人もいるかもしれません。「そんなに動いていたら集中できないでしょ!」と言ってしまった人もいるのではないでしょうか。

そこで知ってほしいのは、多動傾向の人の「動いてしまう」は、自分の意志とは関係がないということです。
ADHD(注意欠如・多動症)は、脳の機能の働き方の違いによって生じるものです。行動の司令塔の役割を担う前頭葉などで、ドーパミンなどの神経伝達物質の働きが不安定になることで、行動や注意のコントロールが難しくなると考えられています。

つまり、「動かないでいよう」と思っても、自分の力でコントロールすることはなかなか難しいということです。

私はそのことを念頭に置いて、子ども達に接するようにしています。

「動いちゃダメ」という言葉は、多動の子どもにとって、プレッシャーと恐怖です。だって、動いちゃうのに・・・。そのことで頭がいっぱいになってしまい、目の前のことに集中することがもっと難しくなります。

かといって、「自由に動いて良い」状態だと、教室での学習が中断されて滞ってしまいます。「できた」の満足感も得られないまま時間が過ぎてしまっては、教室での時間がよいものになりません。

そこでみころるの教室では、子どもと話し合いをし、お互いの「ちょうど良い」「心地よい」を探っていきます

「どんな時に動きたくなるのか」「その時はどうしたら落ち着けるのか」などを伝えてもらいます。私の方でも子どもの教室での様子から、どのくらいの時間で、どのように動いてしまうのかというのを把握しているので、子どもの「こうしたい」を聞きながら、具体的な提案をしていくことができます。

◆バランス椅子などで衝動のバランスをとる

体が揺れていることで安心感がある子には、みころるの教室にあるバランス椅子をすすめます。
学習中はバランス椅子を使い「動きたい」の衝動をうまくバランスをとって取り組める子もいます。バランスボールに座るのもよいかもしれません。

◆落ち着ける態勢をとる

筆記の時や集中したいときに、椅子の上に正座したいという子もいます。課題に取り組む前にこちらから声をかけ、落ち着く態勢に整えてもらいます。

◆立ち上がる機会をつくる

座り続けるのは苦痛でイライラしてしまうので、時々席を立って歩きたいという子もいます。みころるでは、学習中に席を立っても大丈夫です
そういう場合は、黙って勝手に立ち上がるのではなく、声をかけてもらうようにします。

急に立ち上がれば、相手の人も驚いてしまいますよね。この先色々な人とよい関係が築けることを考え、ソーシャルスキルトレーニングのひとつとして私の方から「事前に声をかけるよう」伝えています。

また、課題と課題の間に、本や道具を取りに行くなどして意図的に立ち上がれる機会を作ったりもします。鉛筆削りでガリガリ削るのも、よい気分転換になったりしますね。


「動いても大丈夫なんだ。」と感じられる環境だと、不安がなくなり、気持ちが安定して、逆に落ち着いて課題に取り組めることが多いように感じます。

「動いちゃダメ」の前に、「どんな時に、動きたくなるのか」「動きたくなったら、どうしたら落ち着けるのか」を聞いてみてください。

このように、多動の子に限らず、子どもの「困り感」に寄り添うことで、子どもは「わかってもらえている」という安心感を感じます。
「ここでは無理をする必要はない。」と感じてくれるので、素直に自分の「困った」を伝えてくれるようになります。

私は「講師」という立場ですが、子どもとは同じチームの一員だと思っています。「一緒にやっていこう」の気持ちを感じてもらえるよう、子どもの「声」に耳と心を傾けたいです。